illycaffè(イリカフェ)の根底を流れる、コーヒー作りに賭ける情熱
illy(イリー)の物語は、アドリア海に面したイタリアの港町トリエステに始まります。ヨーロッパで最初にコーヒーが上陸したこの町で、1935年、創立者フランチェスコ・イリーが近代的なエスプレッソマシンを開発しました。そして今もこの物語には、イリー家の3代目の当主である社長のアンドレア・イリーの手によって、新しいページが書き綴られているのです。
「芳醇、深いコク、それでいてベルベットのような滑らかさ。それがillyの際立つ個性」。違いの分かるコーヒー愛好家に、なぜそれほどillyを愛飲するのか、その訳を訊ねてみてください。おそらく、そんな答えが返ってくるでしょう。そうした評価は世界140ヶ国で聞くことができます。illyの個性が光るオリジナルブレンド——持続可能な農法で栽培された、4大陸9種類のアラビカ種コーヒー豆が奏でる、香りゆたかなシンフォニー——は、毎日、ご家庭で、高級ホテルで、レストランで、カフェで、職場で、何百万人ものコーヒー愛好家を満足させているのです。
経験、テイスト、探求心、芸術、文化。それらが一体となってコーヒーカップの中に作りあげるのは、いくつもの次元に広がり、五感を刺激する喜び。そうした喜びは、一粒一粒のコーヒー豆の中にも、illyがデザインを手がけた、見た目も美しいエスプレッソマシンの中にも、見つけることができます。さらには、現代美術の巨匠たちがプロデュースしたillyのコーヒーカップ・コレクションや、イタリアンスタイルのカフェバーの世界的なチェーンである「espressamente illy(エスプレッサメンテ・イリー)」のすべての店舗や、独立経営のカフェの名店やトップ・バリスタたちの国際的なネットワーク「Artisti del Gusto(アルティスティ・デル・グスト)」もまた、そうした喜びを与えてくれます。
illyは、環境やコーヒー生産にたずさわる人々に敬意を払うことを、ビジネスの根幹をなす姿勢だと考えており、中南米、インド、アフリカにおいて、20年間、日々そのことを実証してきました。そうした姿勢の表れが、コーヒー栽培者に対して無償で実地訓練を行う「コーヒー大学」であり、また、所定の品質基準を満たした栽培業者に対してillyが保証する最低市場価格制度です。そして、そうした姿勢は、DNV(デット ノルスケ ベリタス)のような独立認証機関によっても認められています。2011年にDNVは、コーヒー豆の調達に関するあらゆる面、特にコーヒー栽培者と直接取り交わされる倫理的かつ長期的な関係において持続可能性が守られていることを理由に、「責任あるサプライチェーン・プロセス」の初のグローバルな認証をillyに与えています。
創業者フランチェスコ・イリーの革新的スピリットは、さまざまな先進的ビジネスの中に今も根付いています。たとえば、5つの特許に守られたエスプレッソ抽出の新機軸で、シンプルな機能に徹した「iperespresso(イーペルエスプレッソ)」。コカ・コーラ社とのジョイント・ビジネスとして世界中で販売されている「illy issimo(イリー イッシモ)」缶コーヒー。さらに、illyが50%の株式を保有するミタカ社が製造する、高品質のエスプレッソがオフィスで味わえるカプセル式コーヒーマシンなども挙げられます。
イリーファミリーは、illycafféの会社経営に現在でも深く関わっています。CEOのアンドレア・イリーを中心に、兄のリッカルド・イリーが副社長を務め、姉のアンナ・イリーは、2008年にこの世を去った亡父エルネスト・イリー(創業者フランチェスコの息子)を継ぎ、4大陸のコーヒー栽培者との間に取引を開拓する業務にあたっています。また、アンナ・ロッシ・イリー未亡人は名誉会長を務めています。