革新こそ、創業以来、illycaffèの根底に流れ続けている精神です。したがって、コーヒー業界を一変させた8大革新のうちの3つをillyが手がけたことは、何ら驚くべきことではありません。
1つ目の革新は、会社設立のちょうど1年後の1934年に開発された、加圧式パッケージングです。加圧下で不活性窒素ガスを封入することで、illyのコーヒー缶は無酸素環境で密封されます。それによって、コーヒーに不可欠なアロマが保たれ、コーヒーから自然に生じる油の混合が促されます。その結果、コーヒーは、他のどんなパッケージング方法よりも長く鮮度が保たれるだけでなく、そうした無酸素環境のおかげで、時間が経つにつれてさらに味わいを増すことになります。
第2のイノベーションが完成したのは、そのちょうど一年後の1935年のことです。近代的なエスプレッソマシンの先駆けとなるイレッタは、加圧要素と加熱要素とを初めて分離しました。その結果、苦味や焦げ臭さのない、バランスのとれた、まろやかで芳醇な味わいのエスプレッソを作ることが可能となったのです。
1974年、illyの3つ目の革命的発明が発表されました。専門家の手で挽いたエスプレッソの粉を計量し、個別包装で紙ポッドに詰めたこの製品によって、どなたでも、どこでも——家庭でもオフィスでも、お気に入りのカフェやレストランでも——おいしいエスプレッソが楽しめるようになりました。ESE(イージー・サーヴィング・エスプレッソ)と名付けられたこのシステムは、業界標準となりました。