完璧を追求する人々


illy

「クリュ」の選別

illyでは、「リキュール」という言葉に別の意味を持たせています。つまり、豆の選別やテイスティング、さらにはコーヒーの最終的な味と品質の決め手となる領域の専門家、それが「リキュール」なのです。illyではリキュール・チームを編成しており、チームの各メンバーは、特別なスキルと、illyブレンドに用いる「クリュ」――コーヒーの場合、特定の豆の種類――を決めるうえで理想的な感性を身につけています。

テイスティングはデリケートな作業です。元々選別の根拠となった特色が保たれているかどうかを確認するために、買い付け後も2か月ごとに、コーヒー豆の再テイスティングが行われます。同じ検査を8回クリアして始めて、その豆はillyブレンドの一部となるのです。

「リキュール」とはどんな人間か?

リキュールとコーヒーの関係は、醸造家とワインの関係に相当します。つまり、最終製品に対して責任がある人間ということになります。実際、リキュールの任務は、ワイン醸造家が誇りをもって行う「醸造所での作業」とほとんど変わりありません。特に似ているのがシャンパーニュメーカーであり、さまざまな収穫年度のブドウをブレンドすることによって、製品の個性的プロフィールが最高の形で発揮されるようなバランスが図られます。

季節が変わっても、その年のコーヒー豆の生育の特色を分析するリキュールの仕事に休みはありません。リキュールはそれから、きわめて正確な判断によって、買い付けに値するコーヒー豆のロットを選びます。そして、illyブレンドにふさわしい豆であることを確認するために、繰り返しロットの分析と評価を行います。彼らは最高のものしか認めません。